Act.36 補足
実写版美少女戦士セーラームーン Act.36。
前世の想いを遂げる為、陽の下に現れたプリンセス・セレニティの話。
麻布更生病院。
うさぎ「えー。美奈子ちゃんとの面会、ダメなんですか?」 *1 *2
ライブで倒れた美奈子のお見舞いに駆けつけた うさぎ達。
疲れからくる貧血で、心配ないと教えてもらい、安心する。
美奈子が仲間だと、始めて知ったうさぎは、何かしてあげたくて仕方がない。
月野家。
うさぎがケータイで話しているのを聞いて、嬉しそうなテンションの育子ママ。
育子ママ「う・さ・ぎ、彼でしょ! 知ってんのよ〜、最近、できたの。」
育子ママ「ママに隠す事、ないじゃなぁ〜い。」
うさぎ「どんな・・・って・・・。名前は・・・、地場・・・衛。」
育子ママ「衛? じゃ、『まもまも〜!』とか呼んでんでしょ。あ、『まもりん』?」
育子ママ「じゃ、うさぎは、『うさうさ』? いや、熱いわね〜。」
照れたように答えるうさぎ。育子ママに、さんざん、からかわれてしまう。
進悟「うわ。気持ちわりー。」
うさぎ「違うって、言ってるでしょー。」
進悟「うわ。気持ちわりー。うわ。気持ちわり。う〜わ。うわ!」 *4
うさぎ(名前、まだちゃんと、呼んでないんだよなー。顔見ちゃうと・・・なんか。)
まだ照れくさくて、名前で呼べないうさぎ。
次の日、待ち合わせ場所で、衛を見つけたうさぎ。
話しかけようとするが、昨日の育子ママにからかわれた事が気にかかって、素直に名前で呼べない。
うさぎ「ま・・・」 *5
うさぎ「まも・・・」 *6
うさぎ「ふぅ・・・。」*7
うさぎ「おーい!」 *8
でも、手をつないで、常にラブラブ。 ブティックで、花屋で、とても仲の良い二人。 *9 *10
再び、麻布更生病院。
美奈子の病室に呼ばれた、1人だけレイ。
美奈子から、病気の事を告白されるレイ。
美奈子「私の病気の事。」
美奈子「私は、たぶん、あと2、3ヶ月しか生きられない。」
レイ「・・・え?」 *11
アル「・・・・・・。」
レイ「ちょっと待ってよ。そんな急に・・・。」
レイ「治る可能性だって、あるんでしょ?」
美奈子「手術しても、成功する確率はゼロに近いかな。お約束どおりで、笑っちゃうよね。」
レイ「笑い事じゃないわよ!」
レイ「待ってよ。そこまでして、戦士でいる必要あるの? ちょっとでも可能性があるなら・・・、」
美奈子「命を無駄にしたくないの。」
美奈子「マーズ。私たちがどうして、前世を背負って、生まれてきたか、わかる?」
美奈子「悲劇を繰り返さない為じゃない。」
美奈子の病状と、命をかけた悲壮な決意を聞いて、複雑な表情になるレイ。
美奈子「情けない顔。」
美奈子「大丈夫よ。私だって、まだ戦えるんだから。」
美奈子「まだ、あなたに全部任せる程、信用してないわ。」
いつもなら、意地の張り合いになるような美奈子の言葉を聞いても、何も言えずに、
泣きそうな顔になるレイ。
街の雑踏。
相談した結果、美奈子のお見舞いに、風景写真集をプレゼントする事に決めたうさぎと衛。
とあるショーウィンドウで、うさぎの足が止まる。
その中には、『ムーンフェイズの時計』が。
うさぎ「へー。なんか、これいいなぁ・・・。」
いっしょに見てもらおうと、衛を呼ぶが、衛は気がつかずに行ってしまう。
うさぎ「ねぇ。ちょっと、これ見て! ねーってば!」
うさぎ「こらー!」
一斉に、まわりの人が振り返る。あわてて、駆け寄ってくる衛。
衛「なんだよ、恥ずかしいなー。」
うさぎ「ちょっと・・・、この時計・・・いいかな・・・って。」
衛「おまえさ。なんで、名前で呼ばない訳?」
核心をいきなり聞かれて、シドロモドロになるうさぎ。あげくに、俺の名前をド忘れしたんだろうとまで、言われてしまう。
うさぎ「なによ、いっつも、バカにして! 人の気持ちなんか、全然わかってないんだから。」
衛「なんだぁ?」
プンスカして歩いていくうさぎ。
しばらくして、まだプンプンしながら、ベンチにドスンと座るうさぎ。
そのうさぎの顔の前に、さっき見ていた『ムーンフェイズの時計』が。 *12 *13
うさぎ「え。」
『ムーンフェイズの時計』・・・、時計のチェーン・・・、それを持っている腕・・・、そこには衛が。
うさぎ「・・・どうしたの。これ。」 *14
うさぎに時計を手渡しながら、衛が答える。
衛「マフラーのお返し。まだだったからさ。」
うさぎ「うそ・・・。」
信じられないように、衛の横顔を見つめるうさぎ。そんな衛も、どこか照れくさそうだ。
その顔を見て、笑顔になるうさぎ。
うさぎ「・・・ありがと。」
衛に、寄り添っていくうさぎ。 *15
前世の記憶。
楽しそうに手をつなぎ、キスをする、プリンセス・セレニティとマスター・エンディミオン。
それを陰から見ていたベリルは、思わず、目をそらしてしまう。
クインベリル「エンディミオン・・・。かつて、どんなに望んでも・・・、手に入らなかった。」
クインベリル「今度こそ、手に入れる。プリンセス。お前の眼の前で・・・。」
別の日。公園を歩いている衛の前に、ミオが現れる。
衛「おまえ・・・。」
ミオ「いっしょに来て。衛くんの大事な・・・」
ミオ(低い声)「四天王が待ってるよ。」
クインベリル「来るのだ。エンディミオン。・・・そして、プリンセス。」
クラウン。
その言葉に、反応するかのように、イスから、急に立ち上がるうさぎ。 *16
クラウンから、駆け出していくうさぎ。亜美、まこと、別の場所にいたレイも、後を追う。
川原にたたずむミオと、衛。 *17
衛「こんなところで、一体・・・。」
ミオ「ようやく・・・数十万の刻を越えて・・・。エンディミオン。」
黒い邪気の中に、消えるミオ。
ミオの消えた場所に駆け寄る衛。アングルが変わると、衛の背後にはクインベリルが立っている! *18
クインベリル「エンディミオン!」
驚いて振り返る衛。
セーラームーン達も駆けつける。 *19
遅れて、ヴィーナスも駆けつける! *20
対峙するセーラー戦士と、クインベリル。
ヴィーナス「ベリル! 何の真似!?」
クインベリル「プリンセス!」
クインベリル「別離れを言え! 今日から、お前のエンディミオンは・・・、わらわのものとなる。」
セーラームーン「え。」
クインベリル「わらわとともに、クリンメタリアのチカラを手にいれ、ともに地上に君臨するのだ!」
衛「勝手な事、言うな! どうして俺が!」
不敵に笑うクインベリル。
そのクインベリルに、強制的に呼び出される四天王。
戦おうとするジェダイト、ネフライト。
ファイティングポーズをとる5戦士。
だが、クインベリルが、指を鳴らすと、四天王は、自らの意に反して、自決させられそうになる。
ジェダイト「ベリル様・・・?」
ネフライト「これは・・・?」
クインベリル「四天王は、わらわが甦らせた者達。言葉1つで、自らを貫く。」
クンツァイト「なにぃ〜?」
クインベリル「エンディミオン。四天王を死なせたくなくば、わらわの下へまいれ。」
クインベリル「前世の昔から、お前を想っていた・・・。お前だけを・・・。」
クインベリル「来るのだ。お前が見捨てられるはずはない。かつて、忠誠を誓った家臣どもを。」
クンツァイト「ばかな! 私は、もはや・・・、」
クンツァイト「!」
自らの頸に、剣刃を当てされられ、自決させられようとしているクンツァイト。
衛「よせ!」
クインベリル「まいれ。エンディミオン。」
うさぎ「ちょっと待って! こんな事、意味ない! 脅したって、人の気持ちは変えられないよ!」
クインベリル「黙らせよ!」
その言葉に反応して、技のタメに入る四天王。
ヴィーナス「プリンセスを護って!」
セーラームーンを護るように、ディフェンスポーズをとる4守護神。
そこへ、四天王の攻撃が炸裂! 爆発が巻き起こる!
【CM】
セーラームーンの最高に可愛いソングアルバム『Dear My Frend』が、
6月23日、ついに発売。主題歌『キラリ☆セーラードリーム!』から、
戦士達のキャラクターソングまで、全部、聞けるよ。5人の戦士が歌う『Friend』も、待望の初CD化。
伝説のすべてを、き・い・て。 ((つうか、ナレーターのお前は誰だ。笑)) ((moondreamerさんからの情報によると、『日向めぐみ』という歌手の人らしい・・・って、『グミ』の事かよ。私は、やはり「Catch You Catch Me」が好きだな。 ))
四天王の攻撃から、セーラームーンを護って、倒れる4守護神。
クインベリル「エンディミオン。いつまで待たせる!」
再び、指を鳴らし、四天王を自決させようと操るクインベリル。
衛「待て! ・・・わかった。」
クインベリル「そうだ! まいれ!」
ゆっくりと、クインベリルのもとに歩いていく衛。
満足気な表情のクインベリル。
ネフライト「なぜだ?」
ジェダイト「俺たちを・・・助けるのか?」
ゾイサイト「マスター!」
衛に斬りかかろうとするが、再び、クインベリルの術に捕らえられるクンツァイト。
セーラームーン「そんな・・・。」
衛が、クインベリルのもとにたどり着こうとした瞬間、セーラームーンのティアラが光り始める!
表情が一変するセーラームーン。
セーラームーン「触るな!」
光に包まれるセーラームーン。
月の王国シルバーミレニアムのイメージ。
立っているセーラームーンの後ろから、階段をプリンセス・セレニティがゆっくりと降りてきて、
二人が重なった瞬間・・・、セーラームーンが消え、違うセーラームーンが現れる!
プリンセス・セーラームーンの誕生だ!
クインベリル「なんだ・・・。なんだというのだ!」
プリンセス・セーラームーンに、直接、攻撃を行うクインベリル。
爆発が巻き起こるが、何事もなかったかのようなプリンセス・セーラームーン。
クインベリルのいる方に、ゆっくりと歩いていく。
クインベリル「何をしておる! アレを消せ!」
クインベリルの言葉に反応し、強制的に、技を出させられる四天王。
その瞬間、右手に剣を出現させ、全ての攻撃を跳ね返すプリンセス・セーラームーン。
味方である4守護神に、流れ弾が当たりそうになっても、気にもとめない。
爆発の中を悠然と進むプリンセス・セーラームーン。 *21 *22 *23
ジュピター「違うよ!うさぎじゃない!」
マーズ「じゃあ、あれは。」
ヴィーナス「プリンセスよ。」
その言葉に、ハッとして、ヴィーナスを見つめるジュピター、マーズ、マーキュリー。
ヴィーナス「・・・プリンセス・セレニティ。」
剣を突き出して、威嚇するプリンセス・セーラームーン。
衛「うさぎ!」
衛の言葉も、今のセーラームーンには、届かない。
クインベリル「プリンセス・・・、いい気になるでない!」
クインベリル「今は、わらわもお前と同じ。いや、それ以上の存在・・・。」
クインベリル「まずは下がれ! 剣を下ろせ!」
ヒステリックに叫ぶクインベリル。
クインベリルの繰り出す攻撃は、プリンセス・セーラームーンによって、全て弾かれてしまう。
味方である4守護神に、流れ弾が当たりそうになっても、やはり、気にもとめない。自分の身を守るだけで、精一杯の4守護神。
爆発の中を、瞬きひとつしないで進むプリンセス・セーラームーン。
クインベリル「無礼者!」
そのクインベリル、渾身の攻撃を、難なく受け止めたばかりか、
その攻撃に、五芒星を描き、自らのパワーを乗せて、
始めて、自分から攻撃を繰り出すプリンセス・セーラームーン。
爆発が巻き起こる!
プリンセス・セーラームーン「無礼なのは、お前よ!」
圧倒的に強いプリンセス・セーラームーン。
4守護神も、唖然として見つめるしかない。
クインベリル「おのれぇ。」
精一杯の虚勢をはるクインベリルだが、自らの攻撃ではまったく歯が立たない。
クインベリル「止めさせよ。エンディミオン! この小娘を消してしまえ!」
クインベリル「お前は、もう わらわのもの。拒むというなら!」
再度、クインベリルに操られるネフライト。
意思とは関係なく、勝手に剣にパワーを出させられ、その剣で、自らの体を貫き、地に倒れこんでしまう。 *24
残る四天王や、4守護神に衝撃が走るが、プリンセス・セーラームーンは、やはり気にも留めない。
それを見て、何かを決意したように、プリンセス・セーラームーンに歩いていく衛。
プリンセス・セーラームーン「・・・エンディミオン。」 *25
プリンセス・セーラームーンを抱きしめる衛。
衛「うさぎ。俺の声が聞こえるな。・・・もういい、戻れ。うさぎ。」
衛「・・・うさぎ!」
その声に反応して、月野うさぎに戻ってしまうプリンセス・セーラームーン。
うさぎ「え? わたし・・・。」
駆け寄ってくる4守護神。 *26
マーキュリー「うさぎちゃん!」
一瞬、振り返るが、またすぐに、何ともいえない表情で見つめあう うさぎと衛。 *27
クインベリル「エンディミオン、まいれ!」
この声に、一瞬、クインベリルを見るが、すぐに、衛に視線を戻すうさぎ。
うさぎの肩に優しく手をかけた後、振り向き、クインベリルに歩いていく衛。
うさぎ「衛!」
その後ろ姿に、始めて、名前で呼びかけられたうさぎ。
その声に振り返り、悲しげな笑顔でこたえる衛。
衛「大丈夫だ・・・、絶対、戻ってくる。」
クインベリルによって、その場から、四天王達ともども跳躍し、連れ去られる衛。
うさぎ「・・・衛。」
プレゼントしてもらった『ムーンフェイズの時計』に、衛の笑顔が重なり、
あまりの悲しさから、気を失って倒れる うさぎ。
ジュピター「あ」
マーキュリー「あ」
ジュピター「うさぎ!」
ルナ「うさぎちゃん!」
ジュピターがあわてて、うさぎの体を支える。
倒れたうさぎの頬を伝う涙をぬぐうマーキュリー。
マーキュリー「うさぎちゃん・・・。」
マーズが激昂して、ヴィーナスに問いかける。
マーズ「これも・・・、こんな事も・・・、前世から背負ってきた事なの!」
ジュピター、マーキュリーも、ヴィーナスを見つめる。
ヴィーナスからの答えは・・・ない。
つづく。
*1:つうか、マネージャに、直に対応してもらっているアンタ等、何者だ 笑
*2:それと、事務所の社長は、どこに行ったの? 笑
*3:ママと弟の演技力も、いい感じに高いぞ。
*4:『うわ!』『うわ!』って、何かのお囃子か。ラップか。
*5:まもまも?
*6:まもりん?
*7:お?
*8:なんじゃ、そりゃ。
*9:BGM は、ひ・うぃ・ごー。
*10:ちなみに、私は、これを聞くと、踊る沢井美優と、安座間美優の姿を連想してしまう。
*11:「え?」と「へ?」の中間くらいの発声。たいへん驚いているのが、よく現れている。
*12:あ。すぐに買ってやるのか、お前は。笑
*13:でも、買うタイミングは、今、この時しかないけどな。
*14:声のトーンが、可愛い。
*15:モノで釣られてないか。まぁ、嬉しいだろうけど。
*17:「岩舟」という場所らしい。撮影協力:国土交通省 荒川上流河川事務所
*18:この手法、好きだな。鈴村監督。
*19:ちょっと化粧が濃いのは、日焼け対策か?
*20:つうか、普通に、一生懸命に走ってくる。笑
*21:スタント・コーディネーター 玉寄兼一郎氏の日記によると、「ナパーム10発」、「女の子が、爆破&炎の中を平然と歩くのは大変」との事。
*22:Gocoo-tama日記 http://joe-web.jp/cgi-bin/d1/rdiary.cgi?id=gocootama&y=2004&m=5&pline=5#18
*23:でも、Act.37-38の元基のアクションって? 笑
*24:何気に、途中の芝居がカットされているぞ、ネフライト。
*25:プリンセス・セーラームーンも、エンディミオンの前では、おとなしくなってしまう?
*26:プリンセスの怒りが修まったので、安心して、駆け寄ってくる。笑
*27:やっぱり、衛がイチバンなんだね。